君は僕を知ってる？

　あのひととよく待ち合わせをした、新橋駅のＳＬは改修中とかで、工事用のかべに囲まれていた。がーん。こうやって、かえるばしょが消えていくんだ。きょうも振られて、ひとり帰る電車のなか。眠っていたわたしを襲うのは、足の攣りだったりする。ががーん。それでもなんとか最寄り駅まで辿り着いて、家までの道のりで聴くのは、喉にまだがんがなかったころの清志郎が歌う、君が僕を知ってるだったりする。

　今までしてきた悪いことだけで、僕があした有名になっても、どうってことないぜ、まるで気にしない。君が僕を知ってる。だれかが僕の邪魔をしても、きっと君はいいこと思い付く、なんでもないことで僕を笑わせる。君が僕を知ってる。なにからなにまで君が、分かっていてくれる。僕のことすべて、分かっていてくれる。離ればなれになんか、なれないさ。コーヒーをぼくに淹れておくれよ、ふたりのこの部屋のなかで。僕らはここにいる、あかりを暗くして。君が僕を知ってる。なにからなにまで君が分かっていてくれる。僕のことすべて、分かっていてくれる。うえからしたまでぜんぶ、分かっていてくれる。僕のことすべて、分かっていてくれる。分かっていてくれる……

　勘違いでも、まるで気にしない。分かっていてくれてるはず、で構わないのだ。あーもう今夜は酔っぱらって、だめみたい。軽躁にはよくなかったかもね。そんなの知ったことじゃないのだ。（完全軽躁気味←と思ったものの、単に酔っぱらってるだけだな）