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躁鬱病(BPⅡ)トウビョウブログ
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 わたしは感情を信用しない。たしか絲山秋子も書いていたけれど、感情に基づいて直情的に行動するが、だからと言って感情を信じているわけではない。だって、こんなにもくるくると変わるんだから。心が揺れるのは誰だって同じだ。優しい友人たちは、そう言ってわたしを慰める。しかし、振れ幅がひどいと、自分を見失う。自分が言ったことや、やったことに、自分で振り回される。そのうねりに周囲のひとも巻き込む。だからきっと、時々、全部ちゃらにしたくなってしまう。昨日に責任を持たなくていい世界を生きたい。昨日と今日が分断された世界を生きたい。

 幼い頃に母が死んだ。父とは殆ど暮らしたことがない。2人の記憶がない。それを幸せと言えば、そうなんだろう。取り出し惜しみ慈しむ過去がないんだから。父とは今も昔も、冠婚葬祭の時に顔を合わす関係でしかない。大学時代、その冠婚葬祭で挨拶を交わそうとした時、何も喋れなくなったことがある。一言でも口にすれば、涙を抑えきれなくなるような気持ちだった。血縁って不思議だなと、妙に冷静に考えた。ただ、それが血縁のせいだったのか、今となっては分からない。感情は検証できない。

 今年の正月、近しい親戚が集まった席で昔の話になった。1月1日だというのに、わたしは大声で泣いた。姉も泣いた。今まで決して言ってはいけないと思っていたことも、全部ぶちまけた。本心から出た言葉だったのか、思い返しても確信が持てない。ただ、わたしの人生の一面の真理なのは確かだ。そしてそれを、ずっと引きずってきたのも確かだ。病気になって、原因の一部を生い立ちに求めたのは、そのせいだろうから。でも、できることなら、そんなことはもう、全てなかったことにしてしまいたい。人間が過去の集積物でしかないとしても、生きるとすれば、わたしはその澱から逃れたい。
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