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躁鬱病(BPⅡ)トウビョウブログ
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 精神病院に入院していると、とても居心地よく感じてしまう。診断名は違っても、そこには同じように精神を病んでいる仲間がいて、医者や看護師やソーシャルワーカーの庇護を受けることができる。開放病棟なら<外>にも出られる。それでも、夕食の時間までには必ず戻って、決して美味しくない食事を食べながら、ほっと息を吐く。外に出ているとき、わたしは「もしかしたら”あそこ”に入院していることがばれるんじゃないか」と根拠もなくひやひやしてしまう。病院の近くならまだしも、遠出してばれようのないであろう処まで逃れてみても、その妄想からはなかなか自由になれない。友人からのお見舞いの申し出は、1度目も2度目もやんわり断った。入院費は自分で捻出し、両親や親戚には2度目の入院のことは隠した。会社ではオープンにしているけれど、敢えて老年の親に告げて、「自分の子どもが精神病なんだ」という事実に再び直面させるのは酷だと思った。本来は割りと誰にでも、自分の病気のことは話している方だ。精神病であることを恥じるつもりはなくて、寧ろ、精神病に偏見を持つひとたちの方を軽蔑している。しかし、そのつもりでいても今の社会はまだ精神病に理解があるとは言えず、だから患者であることがマイナスに作用することの方が圧倒的に多い。その事実が、ときどき、わたしの勇気を挫く。職場で隠しているひとは、たくさんいるだろう。結婚のときに障壁になるひとも、たくさんいるだろう。隠すことで、ますますしんどくなって自ら死を選んでしまったひとも、少なからずいるだろう。隠す方が悪いんじゃない、隠さなければならないような社会の在り方が悪いんだと、きっぱりと言える。けれど、隠さなくても良い社会にするには、隠すという行為をやめて、<わたしたち>がすぐ隣りにいることを、その苦しさを、伝えていかなければならない。前時代的な精神論を、もう止めさせるために。どんなひとでも発症し得るという事実を、知らしめるために。2度目の退院をする時、エレベーターのところまで送りに来てくれたみんなに、冗談めかして「またね」と言ったら、ずっと年上のKさんから「もう帰って来ちゃあダメよ」としかられた。わたしは朝、会社に行く時、自分を奮い立たせるために、ブルーハーツの「終わらない歌」を聴きながら歩く。♪終わらない歌を歌おう くそったれの世界のため 終わらない歌を歌おう きちがいあつかいされた日々……。再び<外>へ出てきたわたしは時々、<中>で暮らし続ける仲間たちから、病気のことを伝えるという役目を託されているような気持ちになる。
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