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躁鬱病(BPⅡ)トウビョウブログ
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 1カ月近く、まともに掃除も洗濯もしていないんじゃないだろうか。ワンルームの部屋のそこかしこには本や新聞が積み重なり、玄関を入ってすぐの短い廊下を洗濯物が占拠し、やはり1カ月は確実に代えていないベッドカバーを不快に感じながらわたしはそのうえに日々身体を横たえている。なくした鍵もカードキーも、部屋のどこかにあるのかも知れないけれど、とても探し出すことなんて出来ない。けたたましい音を立てていた目覚まし時計は、落とした拍子に壊れたのか電池が切れかかっているのか、正しい時刻を刻まなくなったので横を向けた。壊れたモノがこっち側を見ないように、見たくないモノがわたしの目に入って来ないように。こんな生活には慣れているので、着替えには困らない。下着だってシャツだってタオルだってたくさん持っている。ご飯だって外食すればどうにでもなるし、家には薬を飲むための飲み物さえあれば必要十分だ。ただ、掃除をする気力が訪れる間隔が、少しずつ長くなっているように感じられて、それが少し気掛かりではある。最近は全部片付けられなくて、最低限で終えてしまうことが多くなった。たとえば、ゴミ捨てや足りなくなったタオルの洗濯や乾燥や。見た目だけなら瀟洒なマンションだと言えるかも知れない。しかし、わたしの部屋の中身は、わたしの歪な精神をそのまま体現しているようだ。たまに死にたいと思うとき、こんな部屋では死ねないと、よく考える。警察がこの部屋を見たら、きっと軽蔑されるだろう。そんなことを想像する余裕があるくらいだから、わたしは死なないんだろうけれど。この前のカウンセリングの帰り際、「昼間は元気でも夜になると急に落ち込んじゃうことが多いんですよね」と呟いたら、こう返された。「孤独なのよ」。わたしは「帰り際にそんなこと言わないで下さいよ」と苦笑した。この部屋も、わたしの<こどくのりんかく>を縁取っているのか。わたしの孤独はどんな容貌をしているのか。久しぶりに会社に顔を出すと、このままじゃ不本意な部署に行かされるかもしれないぞと、上司に言われた。その時、もうそんなことはどうだっていいと思っている自分をはっきりと見た気がした。「別にそれでも構いませんけど」と答えたのは、必ずしも強がりでも嘘でもなかった。仕事が生き甲斐で仕事を失ったら生きていけないとずっと思っていたけれど、今はそうじゃない。新しい生き甲斐を見付けたんでもない。「生き甲斐」だなんて、そんな言葉自体に嘘くささを嗅いでしまう。そんなもの、言葉遊びでしかなかった。家でも学校でも会社でも、ただ評価されたかっただけだ。評価してくれるひとを目ざとく見付けて、すがってきただけだ。最近はそれを仕事に求めていたというだけのことだ。周囲の評価を気にし過ぎだと、医者もカウンセラーもわたしに指摘する。陳腐だが、それは真実なのだろう。真実とはそんなふうに陳腐なものなのだと、病気になってから、わたしは信じるようになった。本当のことはきっと、巷に溢れているお手軽な心理分析の本の記述のように安っぽい。仕事で評価を得ることの難しくなったわたしは、ただそのせいで生きていくための道標を見失った。馬鹿みたいに、笑っちゃうくらいに、陳腐な思考回路は、敢えて分析なんてするまでもなく単純明快だ。
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