句読点のない返信

　書き終えようとしていたら間違えて消してしまった。吉本隆明の詩「分裂病者」なんかを引用したせいか。「きみのもうひとりのきみはけつしてかえつてこない」。悲観を装うつもりはないけれど、楽観的に見せかけるのは嫌いだ。悲観的な考え方を＜歪んでいる＞と断じる認知療法は、もっと嫌いだ。前向きでない時に、ここに前向きなことを書くことは出来ない。先週は、月火水木金と毎日働いたら、ひどい疲労感に襲われた。普通に働いただけなのに、机に向かって座っているだけで足が攣り、タクシーの中で顔面蒼白になり、身体が文字通り鉛のように重くなり、少しのことに神経を尖らした。付き合っているひとと未明の電話で喧嘩し、昔好きだったひとに突然メールして句読点さえない短く冷たい返事に却って落ち込んだ。今日は勝手に休業、明日は病院。わたしのもうひとりのあたらしいわたし、よいわたし。