転換点

　あの日に戻れたら、と思う過去がある。これまでにしてきた選択が間違っていたのかどうかを今判断するのは、性急に過ぎるんだろう。前に道を選んだ時はもっと若くて、失敗を恐れていなかった。なにより、たとえ失敗したとしても、それをも「前進」だと信じられるだけの根拠のない楽観があった。今は年を経て、そんな無謀さを失ってしまった。
　自分の選んだ道を進み続けるべきか、失敗を認めて別の道を歩むべきか？要は自分が何を目指しているのか、そのためにはどうするのが一番いいのかなんだろう。浪費する時間は、もう余りないような気がしている。立ち止まっていても仕方ない。復調してきたせいなのかどうか分からないが、転換を図るべき時期だという気持ちが、わたしを急かす。