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躁鬱病(BPⅡ)トウビョウブログ
2025.05.10 Sat 13:36:28
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最近、読んだ本。第10回日本ミステリー文学新人賞を受賞した「水上のパッサカリア」(海野碧、光文社)は”ミステリー文学”っぽいけど「始末屋」という仕掛けが余り面白くなくて△。鬱病の主人公と、がんの友人の友情を描いた「永遠のとなり」(白石一文、文芸春秋)は、初期の作品の方が断然好きなので△。精神科医の春日武彦のエッセイ「本当は不気味で怖ろしい自分探し」(草思社)は、発想力は凄いと思うけれど、「以下はフィクションである」という但し書きの後で毎回必ず付いてくるショートショートみたいなお話が余計で△。「僕たちは池を食べた」の方が良かった。「東野圭吾の新境地にして最高傑作」という惹句の「夜明けの街で」(角川書店)は、不倫をうまく舞台回しとトリックに使っていて、巧みだなあとは思うけれど、やっぱり容疑者Xにはかなわなくって△。その東野の昔の作品「どちらかが彼女を殺した」(講談社文庫)は、犯人が最後まで明示されないので話題になったんだけど、そんなに推理も難しくなくて△。新潮クレストブックスの短編集「あなたはひとりぼっちじゃない」(アダム・ヘイズリット、古屋美登里訳)は、贅肉のない筆致で異端の孤独や悲しみを描き出していて◎。 「追跡!28年前の『酒鬼薔薇』事件」と銘打たれた「心にナイフをしのばせて」は、同級生を殺した加害者が弁護士として社会復帰していたという章ばかりが注目されていたけれど、事件で長男を亡くした両親ではなく、兄を喪った妹に事件後を語らせるという新鮮な形を取っている点で◎。犯罪被害者問題では見落とされがちだが、両親だけではなく兄弟姉妹の苦悩もまた計り知れないことを、改めて実感させられた。心にナイフを忍ばせているのは「更生」した弁護士のことかと思ったが、妹さんだったことも意外でショックだった。精神科医の神田橋條治と臨床心理士の滝田俊子の対談を収めた「不確かの中を~私の心理療法を求めて」(創元社)は、神田橋氏の話は新鮮だったんだけれども、神田橋氏から問いを振られた時の滝田氏の答えが明白にすれ違っている部分が多くて○。 旅先で余り期待しないで読んだ恋愛小説「水曜の朝、午前三時」(蓮見圭一、新潮文庫)は、期待していなかった分の反動もあって○。解説で池上冬樹が書いている「本書はオールド・ファッションド・ラブソングである」というのは、言い得て妙。毛色は違うけれど、宮本輝の「錦繍」を思い起こさせた。その宮本の「人間の幸福」(幻冬舎文庫、再読)は、以前読んだ時ほど良いとは感じず冗長さが目立って△。人間の業みたいなものをエンターテイメント小説として読ませる辺りは手練れだなあと思うし、警句にも溢れているんだけれど、それがだんだん説教臭くなってくるのがいけない。 最近読んだマンガ。「鈴木先生」③(武富健治、アクションコミックス)は、話もえぐくなり過ぎ、鈴木先生の汗も鬱陶しくなってきて△。とことんのダメ男を描いた「ボーイズ・オン・ザ・ラン」⑥(花沢健吾、ビックコミックス)は、主人公がボクシングに通い出し、今後の展開が楽しみになってきて○。トパネーションと呼ばれる開頭手術を受けた主人公の左目に人間の本質が映し出されるようになる「ホムンクルス」⑧は、早く次が読みたくて◎。「孤独のグルメ」の原作・久住昌之、画・谷口ジローコンビの最新作「散歩もの」(フリースタイル)は、前作同様マンガの新しい境地を拓いていると思うけれど、「孤独のグルメ」を超えられず○。寺に生まれた癒やし系の幼児が主人公の「万福児」②③(下吉田本郷、集英社)は、特にお母さんが出てくる場面でのギャグに失速感で△。 PR |